初体験。
沖縄での生活にもだいぶ慣れてきた とある週末。
僕とアキラは松岡さんに車を借りて那覇市に遊びに行く事にした。もちろんスマホも無い時代でケータイにメール機能やインターネットの機能なんてない時代だ。情報源は無く沖縄に来た日に見た那覇市内のイメージだけである。若さとはいえ恐ろしいくらいのポジィティブ感(笑)。
那覇に行く事は周りには内緒だった。
那覇に行くって言えば松岡さんも運転歴の浅い若者に車を貸す事はなかっただろうしバイト仲間にお姉さんがいる飲み屋に行くっていう事を話すのも抵抗があった。まだまだ僕らの中でお金を払って女の子に接客を受けるって事はモテない奴がする事って認識が強かった。沖縄に来てからの僕は何回か一人でスナックに行っているからアキラよりはそういう抵抗感はなかった。
沖縄の国道は高速道路並みにビュンビュン飛ばす車が多いが僕らは2時間近くかかって那覇までたどり着いた。途中珍しそうなショップや古着屋に寄ったりしながらちょっとした小旅行を味わいながらブラブラした。そしてキレイなお姉さんが載っている看板を見つけて躊躇せずに中に入った。
『いらっしゃいませー 』
『ご指名ありますかー?』
『当店ご利用は初めてですか?』
スーツを来たチャラいお兄さんから早口で質問されたが僕もアキラも精一杯の慣れてる感を出したが恐らく初めてこういう所に来ました感が出まくっていたと思う(笑)
料金システムとか色々言われたが早口だしよくわからなかった。
席に案内されると僕とアキラに1人ずつ女の子が付いた。これといって特長がないがキレイなお姉さんだ。
『お兄さん沖縄の人じゃないねー?』
これ必ず言われる(笑)
この質問には飽きていたが我慢して話をした。
しばらくするとお姉さんが席を立ち次のお姉さんが来た。慣れてきたと思えばまた次のお姉さんと入れ替わり。そう僕らはフリーで入っているので当然だ。
だけどそんな事は説明されていても全く理解していなかったのだ。滞在先の名護のスナックは女の子の飲み代は1杯500円くらいで1セット3500円くらいだったので同じくらいの金額だろうと思って付いた女の子にすぐドリンク飲むように勧めて精一杯の背伸びをした。
でもせっかく慣れてきたのに女の子が代わるシステムに僕は落ち着かず店を出たかった。
アキラにそう話すと
アキラ『俺最初に付いたMちゃん指名するから』
マジか?アキラが大人に見えて少し悔しかったが僕はとにかく店を出たかったので会計を別々にしてもらい後でアキラと落ち合う打合せをして支払いに向かった。
『ありがとうございます!1万2000円になります』
えっ!一瞬怯んでしまったが会計を済ませて足早に店を出た。滞在先の名護のスナックは1セット1万円でお釣りがきてタクシーで往復できた。
1セットいくらなんだろ?
女の子のドリンクっていくらなんだろ?
そういえばおかわりした女の子いたな。
僕は3万円ちょと握ってきて余裕を持っていたのだが急に心細くなってきた。
物価が違うのか?
予定では軽く飲んで風俗店でスッキリするプランだったが出鼻をくじかれた。
そして僕はアキラが心配になった。
料金システムを理解しているだろうか…
とりあえず僕はコンビニでナイトタウン情報誌を見つけて購入。こんな便利な本があるとは♪
とりあえず車に戻りアキラの帰りを待つことにした。
あっ!
車の鍵はアキラが持っているんだった…
アキラのケータイに電話するが圏外。。。
当時のケータイは建物内に入るとよく圏外になったものだった。
僕はまた心細くなってきた。
とりあえず車に隠れるように先程購入したナイト情報誌を読んだ。早く読みたかったのでところ構わずである(笑)
さっきの店はキャバクラだったんだな。
ようやく理解した。
90分7000円
女の子の指名料金¥1500
女の子のドリンク¥1000
あぁ寄り道しなかったらまだ安かったんだな。
早い時間はリーズナブルなプランもある店もあった。
まぁさっきの店とは違うかもしれないけどキャバクラがどんな感じか理解できた。
さっきの店のチャラいお兄さんはこういう事を言ってたんだなって納得した。
待ちながら何度かアキラのケータイを鳴らすが相変わらず繋がらない。
僕は情報誌を車に隠して1人でも入れそうな店を探した。待ってるのも退屈だし情報誌を見た事で少し自信が出てきた。
・30分5千円
Hな感じのお店っていうのがわかる看板。僕は店の前を3回も通過して確認して思いきって店に入った。
『いらっしゃいませー!!』
威勢よく出迎えられた(笑)
店内は薄暗くて大音量で音楽がなっていた。
前払いだったので支払いを済ませて案内された小さなボックス席に座るとすぐに女の子がきた。小柄で幼い感じの女の子だ。
そしてキャミソールに下着姿。
なるほど。
セクシーな格好で接客する店だな。
『この仕事始めて2日目なので…』
女の子は慣れてなくて緊張してるのがこっちにも伝わってきた。さっきまで心細かった僕は急に気持ちが大きくなった。俺の方が夜の世界の先輩だなって思い嬉しくなった。
とにかく女の子をリードして色々話した。
セミヌードに近い女の子をジックリ見たかったけど紳士に努めた。
しばらくして時間前に延長するか聞かれたがアキラが気になり店を出る事にした。
『何もしないお客さん初めてでしたー』
えっ!!
なにそれ?
店を後にすると僕は急いで車に戻った。タイヤの上に隠したナイトタウン情報誌をペラペラめくっていく…
【ランジェリーパブ】
女の子を膝の上に座らせて…
チューしたり…
オッパイを触ったり舐めたり…
風俗体験談みたいなページで何となくランパブの事がわかってきた。
そんな事していいんだ!
知らなかった…
キャバクラの料金より安かったけどそれ以上に損した気分。。。
あぁ背伸びしたらダメだ。
痛感した。
んっ。
着信メロディがなった!
アキラからだ!
アキラ『ごめんさっきの店に来てくれない?お金足りなくてさ…』
やっぱりな(笑)
何となく予想してたし心細かった僕はアキラからの着信が嬉しかった。
店の入り口でアキラとチャラいお兄さんが待っていた。
アキラ『ごめんごめん とりあえず1万円貸してくれないかな?』
僕はアキラに1万円渡してアキラはチャラいお兄さんに1万円渡していた。
僕『会計いくらだったの?』
アキラ『ま、まぁいいじゃん…』
アキラは僕にさっきのMちゃんにそんなに使ったのかって思われるのが嫌だったんだろう。
会計がいくらだったか教えてくれなかった。
アキラ『っで…そっちは?どこ行ってたの?』
僕『あぁ雑誌買って夜の遊び方の勉強』
ランパブ行ってお話だけして帰ってきたってカッコ悪くて言えないわ(笑)
缶コーヒー買って車の中でそんな話をしてそのまま車に寝た。
僕ら二人ともリベンジに燃えていた。