平穏。
相変わらずフリーターの僕は昼前に起きてダラダラ過ごして夕方からバイト。夜は彼女のジュンコをクラブまで迎えに行っていた。ジュンコはだいぶ夜の仕事に慣れて同伴やアフターにも行くようになっていた。
あんなに煩わしく思っていたのにアフターに行く時は心配で僕はジュンコを必ず待っていた。
そんなジュンコもどんなに遅くなっても翌日僕が朝からバイトの時は必ず弁当を作って持たせてくれていた。
なんだかんだ言っても当時は幸せだった。
志乃さんが働くガールズバーにも たまに顔を出していた。ほぼ毎日バイト先で志乃さんと顔を合わせているのに志乃さんは上手にバイト先とガールズバーでのキャラを使いわけていたから飽きなかった。
志乃さんをどうにかしたいとも思っていなかったから心地よく過ごせていた。
なんとなく平穏な時間に身を任せていたが若さゆえか刺激が欲しくなってくる。
バイト終わりに同じ年の友人達と居酒屋に行き何か楽しい事はないかよく話ていた。
僕はジュンコからお迎えの電話があると途中で抜けるので『お前はいいよなぁ』と皮肉を言われたものだ。
でも何か満たされない。何が満たされていないかもわからない。一体どうしたいんだろう。
僕は沖縄のカナちゃんに電話して話てみた。
カナ『よくわからない(笑)マンネリじゃないの?』
僕『そうなのかなぁ。沖縄にいる時は毎日楽しかったなぁ。』
カナ『私を置いて帰るから(笑)』
僕『そうだね ごめんよ(笑)』
でも真剣に沖縄に残れば良かったとたまに思っていた。
カナ『そういえばアキラ君別れたらしいよ!』
アキラは沖縄に永住すると言っていたがやっぱり上手くいかなかったのか…
予想していたので驚きはなかった。
バイトの熊本現場でまた一緒になると思うと少し楽しみになってきた。
それから僕は熊本へ行ったらまたアキラと遊ぶ事を考えてタウン情報紙を買って色々調べた。
ジュンコ『タカちゃんとまた離れちゃうね』
ジュンコは寂しそうに僕を見つめた。
僕『今度は陸続きだから毎回は無理だけど週末には戻るよ。』
週末はアキラ達とキャバクラ行くとは当然言えない。
僕は沖縄のアキラ達の帰りが待ちどうしかった。