調教。
1人で飲みに行けると言っても そこそこお客さんている所に1人で店に入るのは気が引けたので僕はオープンからY店に入った。
何も言わないのに席に案内さされてすぐ雪乃ちゃんが来てくれた。
雪乃『久しぶりー ごめんね連絡出来なくて。色々忙しくてさ…』
僕『そうなんだー 大変だったね』
雪乃ちゃんに会えばそんなの気にならなかった。
この時、気づかなかったが僕は完全に追っかける方になっていた。
雪乃『タカちゃんボトル入れたら?ボトル入れた方がお得だよ♪』
僕『じゃあ そうしようかなぁ』
雪乃ちゃんが好きだ!付き合いたい!
って感情はない。ただ何でなのかハッキリわからないけど雪乃ちゃんの言う事に何でも応えたいと思うようにもなっていた。
致命的だったのは僕は他のお客さんと違って特別だと思っていた事。
たった一度 店外で会っただけでスッカリその気になっていた。
この頃の僕はキャバクラに行くためにバイトしていたようなものだった。
夕方になると目映い光を放つ夜の街が恋しかった。
我慢していても雪乃ちゃんから『会いたいなぁ』って言われたら平日でもY店に向かった。
当然お金は続かずキャバクラ資金が乏しくなるとパチンコに行き一攫千金を狙う生活。
それでも雪乃ちゃんに『お金無いから行けない』とは格好悪くて言えなかった。
彼女のジュンコとの関係はまぁ良好でジュンコも昼間はエステの勉強をしながら働き夜はクラブでアルバイトをしていたのでメールでやり取りしていたが前みたいに僕にかまっていられなくなったのか束縛されたり浮気を疑われる事も無かった。
僕は毎朝買う缶コーヒーも辞めた。
コンビニでの買い食いも辞めた。
そういうのにお金を使うのがもったいないと思ったからだ。だけどパチンコやキャバクラでは何の躊躇いも無くお金を使っていた。
雪乃『今日お客さん少ないし最後までタカちゃんと一緒にいれるかも♪』
僕は雪乃ちゃんのさじ加減でオーラスを経験した。
もちろんその後のアフターを期待したが会計を済ませると『ありがとね♪』って手を振られて終り。
虚しさが込み上げてくるが時間が経てばまた雪乃ちゃんに会いたくなる。
僕はどっぷりハマッていた。