都合がいい女。
キャバクラY店の雪乃ちゃんからは相変わらずメールが来ていたが無視ししていた。
『お久しぶりです!元気ですか~?また一緒に飲みたいなぁ♪』こんな感じの内容で他のお客さんにも同じ内容のメールを送ってそうだったし返事を送る気にならなかった。
楽しく飲めたらまた仕事頑張って次も飲みに行こうって思うけどお金まで払って嫌な気持ちや楽しくなかったら次に行こうって思わない。
僕は冷静さを取り戻していた。
雪乃ちゃんに会うためにキャバクラY店に通って行った事を後悔した。
勝手に通ったのは僕だけど好きにさせるように仕向ける色恋営業の罠に僕はこれから先ものすごく警戒するようになった。
リカは普段は学生でセクキャバのバイトは週に2回ほど。僕らは度々ご飯を食べに行ったり泊まりで会ったりしていた。
普段の感じからはセクキャバでバイトしているようには全く見えない普通の女の子で僕も妙に気取らなくて良くて会うのが楽しかった。
バイト仲間や社員さんと飲みに出たらキャバクラに行く事はあったけど自分でソワソワする気持ちを抑えた。
どうも僕はお酒を飲んで綺麗な女の子を見るといてもたってもいられなくなるたちらしい。
それでいて女の子はチヤホヤしてくれるものだから勘違いする。頭ではわかっていても飲みに出たらダメ。
雪乃ちゃんに気付かされタイミングよくリカで穴埋め出来たのでこの時は良かった。
リカは尽くすタイプの女の子で僕に合わせてくれていた。その辺は彼女のジュンコに似ていたけど好きになるような感情はなかった。
やっぱり割りきっているとはいえお客さんとイチャイチャするバイトをしているからなのか…
誰にも胸の内を話せない僕は沖縄のカナちゃんには全て話していた。
カナ『タカちゃんが沖縄に残らなかったからよ(笑)』
決まって最後に言われる。
それでもお母さんの店を手伝っているカナちゃん目線での意見は参考になった。
クラブでバイトしているジュンコには浮気してたりキャバクラ行ってる事すら言えないのに相談出来るはずもないのでカナちゃんは心強い相談相手だった。
カナ『その風俗?の子とはどうしたいの?』
僕『付き合いたいとかは無いのよね。』
カナ『Hしたいだけ?』
僕『そ、そうじゃない!…でもそうなるよね?』
カナ『話だけ聞いてたらね。都合いいじゃん(笑)』
僕『まぁ。そだよね』
カナ『私とはチュッてしただけだったのにね(笑)』
僕『……。』
カナ『私ともしたかった(笑)?』
僕『そ、そりゃ…でもカナちゃんは好きだった。』
カナ『だった(笑)過去形ね。』
僕『あんまりイジメんなよ~(笑)』
カナ『ごめんごめん(笑)でもタカちゃん熊本からまた離れるんでしょ?』
僕『うん。』
カナ『遊びなら適当にしとかなきゃ。私みたいな人を作っちゃダメ。』
心が痛かった。
でも嬉しかった。熊本にいるのもそう長くないので深入りしないように気を付けようと思った。